【現役・未経験者へ】外構職人の将来性を悲観するのはまだ早い。これからの時代に価値が上がるスキルとは?

今、外構職人として日々の現場で汗を流している方も、これからこの世界に飛び込もうと考えている方も、心のどこかでこんな不安を抱えてはいないでしょうか。


「AIがもっと進化したら、自分たちの仕事は機械に奪われてしまうのではないか」

「日本の人口が減っていく中で、この仕事をこの先もずっと続けていけるのだろうか」


技術が目まぐるしく進化し、社会のあり方が大きく変わろうとしている今、自らの仕事の「将来性」について真剣に考えるのは、とても自然で大切なことです。


しかし、未来への不安をただ漠然と抱えているだけでは、道は拓けません。本当に重要なのは、これから社会がどのように変わっていくのか、その中で外構職人という仕事に何が求められるようになるのかを、冷静に見つめ、備えることです。


この記事では、未来をいたずらに悲観するのではなく、変化の中に隠された大きなチャンスを見つけ出し、これからの時代に「必要とされ続ける職人」になるための具体的なヒントを、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。




悲観は不要。外構の仕事が「なくならない」と言える3つの確かな理由

将来性について考えるとき、まずはポジティブな側面から見ていきましょう。社会がどのように変化しようとも、外構職人の仕事には「なくならない」と言える確かな需要の根幹があります。その根拠となる、3つの大きな社会の流れを解説します。



「新築」から「再生」へのシフト

日本の住宅市場は、新しい家を次々に建てる「新築」中心の時代から、今ある家をより良く手入れして、愛着を持って長く使う「再生(リフォーム・リノベーション)」の時代へと大きくシフトしています。庭を全面的に作り変えて暮らしやすくしたり、古くなったウッドデッキを新しくしたり、家族構成の変化に合わせて駐車場を広げたりと、既存の住宅の価値を高めるための外構工事の需要は、今後ますます高まっていくと考えられています。



機械には真似できない「感性」と「現場対応力」

AIやロボット技術がどれだけ進化しても、お客様の「こんな雰囲気にしたい」という言葉にならないイメージを汲み取り、それを具体的な形にデザインしていく「感性」は、私たち人間にしか持ち得ない大切な能力です。また、一つとして同じ条件のない現場で、その土地の地形や日当たり、天候に合わせてミリ単位の調整を行う「現場対応力」も、プログラム通りにしか動けない機械には決して真似のできない、職人の価値そのものです。



「暮らしの質」を豊かにしたいという願い

私たちの働き方やライフスタイルが多様化する中で、「おうち時間」をより快適で豊かなものにしたい、と考える人が増えています。庭で家族とバーベキューを楽しんだり、美しい植栽を眺めながらリラックスしたり、趣味に没頭できる空間を作ったりと、暮らしの質を高めるための外構への投資意欲は、景気の波にも左右されにくい根源的な欲求として、これからも社会を力強く支えていくでしょう。




しかし、安泰ではない。これからの外構職人が直面する3つの課題

外構の仕事には確かな需要がある一方で、もちろん「何もしなくても安泰」というわけではありません。時代の変化の波に乗り遅れれば、気づいたときには仕事がなくなってしまう可能性も十分にあります。これからの外構職人が、真摯に向き合うべき3つの大きな課題について考えてみましょう。



業界全体の高齢化と人手不足

外構業界全体で、職人の高齢化が進み、若い担い手が不足しているという厳しい現実があります。これは業界にとって大きな課題ですが、視点を変えれば、これからこの世界を目指す若手にとっては、確かな技術と知識を貪欲に吸収すれば、早くから責任ある立場で活躍できる大きなチャンスがあるとも言えます。



新しい技術や建材への対応力

時代とともに、お客様が求めるものや、現場で使われる建材、工法は常に進化しています。例えば、不在時でも荷物を受け取れるスマートな宅配ボックスや、これからの社会に不可欠となる電気自動車(EV)のための充電設備の設置、環境に配慮した新しい素材の活用など、常に新しい知識を学び、技術を取り入れていく姿勢がなければ、お客様の多様な要望に応えることはできません。



お客様の「期待値」の高まり

インターネットの普及により、お客様は世界中の素晴らしいデザインや情報に、スマートフォン一つで簡単に触れることができるようになりました。その結果、私たちプロに対して、「ただ作る」だけでなく、「なぜこのデザインが良いのか」「この素材を使うことで、どんな未来が手に入るのか」といった、論理的な説明や、より高いレベルでの提案力が求められるようになっています。職人にも、確かな技術力に加え、お客様と心を通わせるコミュニケーション能力が、これまで以上に重要になってくるのです。




10年後も「必要とされる」外構職人の条件

では、変化の激しいこれからの時代に、AIやロボットに仕事を奪われることなく、お客様から「あなたにお願いしたい」と指名され続ける職人になるためには、どのようなスキルを身につけるべきなのでしょうか。それは、単なる「作業者」の領域を超える、人間ならではの4つの能力です。



お客様に寄り添う「コンサルティング能力」

これからの職人に求められるのは、お客様の言葉の奥にある、本当の願いや悩みを引き出す力です。「子どもが安全に遊べる庭にしたい」「夫婦二人でゆっくり過ごせる空間がほしい」といった要望に対し、ライフスタイルや将来設計までを深くヒアリングし、専門家として最適な解決策を提案する。それはもはや、お医者さんやカウンセラーにも似た、高度なコンサルティング能力と言えるでしょう。



理想を形にする「デザイン・設計能力」

お客様の想いを最高の形で実現するためには、それを具体的な図面やプランに落とし込むデザイン・設計能力が不可欠です。CADのようなデジタルツールを使いこなし、機能性(使いやすさ)とデザイン性(美しさ)を高いレベルで両立させた空間を設計できる職人は、今後ますます価値を高めていきます。



現場をまとめる「プロジェクトマネジメント能力」

一人の優れた職人がいるだけでは、良い工事はできません。予算や工程、品質、そして何より安全をしっかりと管理し、他の職人たちと円滑に連携しながら現場全体をスムーズに進めていく。このようなプロジェクト全体を俯瞰し、まとめることができるマネジメント能力は、将来的にチームのリーダーや経営者を目指す上でも欠かせないスキルです。



誰にも負けない「専門領域の確立」

「ライティング(照明)のことなら、あの人に聞けば間違いない」「植栽に関する知識は、社内で右に出る者はいない」「ウッドデッキ作りなら、日本一だ」。このように、何か一つでも「誰にも負けない」と胸を張れる専門領域を持つことは、あなたを唯一無二の存在にします。自分の興味や得意なことを深く掘り下げ、自分だけの武器を磨きましょう。



未来を見据えた「環境選び」の重要性

これからの時代に価値を持つスキルを身につけるためには、個人の努力はもちろんですが、それだけでは限界があります。どのような会社に身を置くか、どのような環境で働くかという「環境選び」が、あなたの成長スピードとキャリアの可能性を大きく左右するのです。


将来性のあるスキルは、未来を見据えたビジョンを持つ会社でこそ磨かれます。例えば、常に新しい技術や建材の情報にアンテナを張り、積極的に現場に取り入れようとする会社。あるいは、若手の意見や新しい提案にも真摯に耳を傾け、「まずやってみよう」と挑戦を後押ししてくれる文化のある会社。そうした環境に身を置くことで、あなたは時代の変化を恐れるのではなく、むしろ楽しむことができるようになるはずです。


逆に、旧態依然としたやり方に固執し、職人の成長に投資をしない会社にいては、いくら個人の意欲が高くても、その能力を十分に発揮することは難しいでしょう。会社を選ぶ際には、給与や休日といった条件だけでなく、「この会社は、未来に向かって進んでいるか?」という視点を持つことが、何よりも重要になります。


企業のウェブサイトにある施工事例を見るだけでも、その会社の姿勢は伝わってきます。伝統的な技術を大切にしながらも、どこか新しさや挑戦が感じられる。そんな仕事ぶりに共感できるかどうかは、あなたにとって良い環境選びの、一つの確かな指標になるはずです。

https://www.nagisagikenn.jp/works




まとめ:外構職人の将来性は、あなた自身の学びと選択にかかっている

外構職人の将来は、決して暗いものではありません。むしろ、変化の時代だからこそ、これまで以上に大きなチャンスが広がっています。AIや機械には決して真似のできない、人間の感性やコミュニケーション能力の価値は、これからますます高まっていくでしょう。


そのチャンスを掴めるかどうかは、あなた自身の学びと選択にかかっています。変化をただ待つのではなく、自ら未来を予測し、必要とされるスキルを貪欲に学び続ける。そして、自分の成長を本気で応援してくれる環境を、自らの意思で選び取る。その主体的な姿勢こそが、これからの時代を生き抜くための、何よりの力となります。


この記事が、あなたのキャリアへの不安を少しでも和らげ、未来に向かってポジティブな一歩を踏み出すきっかけとなれば、これほど嬉しいことはありません。変化の時代は、新たな主役が生まれる時代です。未来を創る職人になるために、今日からできることを始めてみませんか。


もし、この記事を読んで、ご自身のキャリアについて誰かに相談したくなったなら、いつでも気軽にその想いを聞かせてください。

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